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利益相反取引

2024/11/07 利益相反取引

 利益相反取引

自己契約及び双方代理の禁止

1、同一の法律行為について、相手方の代理人として又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなすとし、自己契約及び双方代理を原則として禁止しています(民法108条1項本文)

親子間取引

2、一方、親権を行う父又は母とその未成年の子との利益が相反する行為については親権を行う者はその子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない(民法826条1項)とし、前項の一般原則にたいし、実質的制限規定と位置づけられている。

利益相反取引とは、親権者である両親の一方が代理人として自らと未成年者と取引する場合(自己契約という)において、その取引のうち、未成年者にとって不利な場合の取引をさします。未成年者にとって有利な取引は利益相反取引ではありせん。

一方、未成年者を名義人とし、未成年者にとって不利な取引を第三者と取引する場合に未成年者の代理人である親権者が第三者と取引をする場合(間接取引という)は実質的に未成年者にとって不利な取引でも判例は有効とみなしています。つまり、利益相反であるか否かは、行為の外形から判断されます。親権者が未成年者の代理人として第三者と取引し、結果として親権者と未成年者の利益が相反する場合とは外形的に見て未成年者と親権者が利益相反する場合をさすので、外形的に親権者と未成年者との利益が相反しない場合は取引は有効とされます

親権者は親権者の当然の行為として未成年者のために取引をするのが当然の権利であるからです

会社法における利益相反取引

会社法における取締役の利益相反取引については会社法356条、365条に規定があります

356条1項2号は会社と取締役の直接取引を規定したものであり、取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引するには株主総会において、当該重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないとし、365条では取締役会設置会社では株主総会を取締役会と読み替えることとするので、取締役会の承認が必要となります。

事例1 A会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)とB会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)とし、A会社がB会社に不動産を売る場合、両会社の取締役会が必要となります。

この場合に利益相反するのはA会社とB会社ですから、代表取締役甲は各会社を代表して取引をしますが、甲自身は利益相反の当事者ではないので、甲は議決権を行使することができます。乙、丙も共に議決権を行使することができます

取締役は、代表取締役だけではなく、取締役にも適用があります。

事例2 A会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)と甲が売買するとき

この場合、A会社の取締役会議事録は必要ですが、Aと甲は利益反するので甲は議決権はありません。乙、丙は議決権があります

事例3 A会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)と乙が売買するときA会社の取締役会議事録が必要となりますが、乙は利益相反するので議決権はありません。A会社を代表する代表取締役甲と乙が取引するのになぜ取締役会議事録が必要なのでしょうか

356条1項2号では「取締役が」となっており、「代表取締役」とはなっていません

乙は取締役としてA会社に影響力を行使することが理由としてあげられています。

事例4 A会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)が第三者から金銭を借りる場合にA会社が債務者兼担保提供者となる場合は直接取引であり、利益相反ではありませんから、利益相反のための取締役会議事録は必要ありません

事例5 356条1項3号は間接取引を規定したものであり、例えばA会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)が第三者から金銭を借りる場合にB会社(代表取締役甲、取締役乙、取締役丙)が債務者となりA会社が担保提供者となる場合はAと第三者は保証取引をすることになり、将来のABに対する求償権の行使においてABは利益相反となりますので、A会社の取締役会議事録は必要となります。利益相反するのはA会社とB会社ですから、甲・乙・丙は議決権があります。

 

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