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民法900条第4項但書の実務

代表ブログ

2021/02/10 民法900条第4項但書の実務

 

本条但書の相続に関し、この度この規定を使う相続の実務案件が舞い込みましましたので解説いたします。

 

 

 

事例1

相続対象不動産はIが所有する不動産です。

Iは平成29年に死亡しました。配偶者及び子供はいません。第1順位の子供がいませんから次は第2順位の尊属を調べます。

Iの実親であるE、Fは既にIより先になくなっていましたので相続権はありません。Iの姉であるHはCとDの夫婦の内の一方のDとのみ単独で養子縁組をしていますのでHの単独養親であるDも相続権がありそうですが Iの財産に関しては姉妹であるHの養親であるDは相続無関係となります。よって、第2順位の尊属に相続人はいないことになります。次に、第3順位の相続人である姉妹を確認いたします。姉妹はJとHが存在しますが、HはIよりも先になくなっているのでHに相続権はありません。ただし、もし、Hに子供がいればHの相続分を子供が代襲相続しますが、子供がなければ相続人はなくHは相続無関係となります。H尊属であるDはHの相続分を代襲する規定はありません。よって、この事例の場合は相続人はIの妹であるJのみとなります

 

事例2

事例1と同じ相続関係人ですが、相続対象不動産は今度はHが所有する不動産です。

Hは平成26年に死亡しました。配偶者及び子供はいません。第1順位の子供がいませんから次は第2順位の尊属を調べます。

Hの実親であるE、FはHより先になくなっていましたので相続権はありません。また、HはCとDの夫婦の内の一方のDとのみ単独で養子縁組をしていますのでDも相続権がありますがDはHよりも先になくなっていますので相続権はありません。Dの配偶者であるCはHと養子縁組をしていないので相続権はなく相続無関係と言うことになります。次に、DとCの間には実子であるGがいますがGの地位は民法900条4項但書の規定によることになります。すなわち、Hの妹であるIや妹Jと比較して相続分は2分の1となります。H、I、Jは父母を同じくする姉妹であり、GはHに対し父母の一方とのみ同じくする姉妹であるからです。この場合の相続割合はG:I:Jは1:2:2となります。Gは平成21年になくなっていますのでGの相続分はGの子供であるKが代襲相続することになります。GはA、B夫妻と養子縁組していますがHの財産に関する相続に関しては相続無関係ということになります。

本件相続は当事務所が扱った相続のうち、かなり難易度が高いものでした。

 

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